Sep 6 2009

Tokyo Innovation:ad:tech東京セッション

Tokyo Innovationのキーノートセッションは、カンヌ国際広告祭(Cannes International Advertising Festival )にて受賞されたことのある世界でトップを走る4人のクリエーターが、世界的広告クリエーターで小学館の「ピッカピカの一年生」等の代表作品がある杉山 恒太郎氏がモデレーターのもとに受賞作品などと通してメッセージを伝えました。

ではそれぞれのクリエーターの方が順番に代表作の例を基にプレゼンテーションを行ったので、その順番にセッション内容を紹介します。

adtech day 2 016中村 勇吾tha ltd. 代表)

中村さんは1970年生まれでカンヌ国際広告フェスティバルグランプリ受賞者です。今回のad:tech東京では、今年9月18日まで公募しているモリサワ「字組広告公募展~文字の成り立ち」キャンペーンのデモを行われました。公募サイトによると、この公募展は、誰もがカンタンにweb本を作れる新しいコンセプトのサービス 「BCCKS」と、中村勇吾氏が手がけ、モリサワが提供している webで文字のデザインができる「MORISAWA FONTPARK 2.0」というツールを使った、 これまでにないしくみの公募展です。私は実はこれは見たことが無かったのですが、日本語で遊ぶ、そして日本語というものをアートとして見てみるという、とてもオリジナルなコンセプトで、早速サイトで遊んでみました。

中村さんは”広告はよりソーシャルになっていかなければいけない。広告はより世の中の役に立つものにならなければいけない”という考え方をもっており、まさにこのモリサワプロジェクトは広告だっていう事を忘れてしまう、ソーシャルなものだと思いました。

ちなみにFontParkはこちらで遊ぶ事ができます。あと11日ほど公募があるので、ちょっとクリエイティブな自分を探してみて応募してみるのはどうですか?これってかなり面白いブランディングの方法で、文字が動くときの音が気持ちよかったりします。

adtech day 2 019伊藤 直樹 (GT クリエイティブディレクター)

伊藤さんはWikiによると早稲田大学法学部出身。もともとは弁護士になりたかったのかな?伊藤さんを近くで見て思ったのが、ファッションセンスが良いなーという事でした。たぶんad:tech東京では紺とグレーのスーツが目立っていたので、余計目立ったと思うのですが、”アドテックで気になった変わった事“のポストも伊藤さんの靴を見て実はインスパイアされました。

セッションでは伊藤さんが担当した作品の一つのマイクロソフト・Xbox360”Blue Dragon”イベント、Big Shadow とLove Distanceについて語られました。Big Shadowは2006年12月に渋谷で見られたインタラクティブな広告です。伊藤さんはもともとゲームとか嫌いなほうなので、ゲーマー以外の人達をどういう風にして魅了するかというキャンペーンを作りたかったとの事。Big Shadowでは自分影がある動作をきっかけにモンスターにモーフィングするという「体験のカタルシス」を提供するのが狙いで、渋谷の町にテンポラリーな遊園地を作りたいなと思ったそうです。伊藤さんにとってインタラクティブとは、ノンバーバルなコミュニケーションという事で、この作品はそれをまさに象徴する形になっていると思います。

Love Distanceは見たときはショートフィルムを見ているような感じで、最後の方まで何の広告か分かりませんでした。というか、広告を見ているというのが実は分からないくらい引き寄せられました。伊藤さんによるとLove Distanceは、通常、テレビの広告をやろうとすると15秒、30秒になるがこれは1ヶ月のテレビCMだと思って作ったとの事。実際に200万円で遠距離恋愛している本当のカップルをキャスティングしたそうです。この広告を見た事の無い方、見ていて何の広告か途中で分かりましたか?会場では最後のほうで苦笑が上がるほど、たぶん皆さん分からずに見ていて、だまされたという感じだったと思います。

adtech day 2 020田中 耕一郎Projector, Inc. 代表)

田中さんは時報のリズムに合わせ、ユニクロの服を着た女の子たちが無表情で踊り続けるウェブ広告「UNIQLOCK(ユニクロック)」の生みの親で、カンヌ国際広告祭など世界の3大広告祭すべてのインターネット部門でグランプリを勝ち取られた方です。やはり私はアメリカに住んでいると、日本の広告業界の情報にどうしても遅れてしまうのですが、このユニクロックはとても可愛いので、早速私のこのサイトのサイドバーにも加えました。

ユニクロックは、女の子がダンスを踊る5秒間の実写映像と、現在の時間を示す5秒間のアニメーションを交互に繰り返し流すというシンプルなコンセプトなのに、何だかいつまでも見てしまうものです。音楽も秒刻みのリズムになっていて、思わず踊りを真似したくなったりします。伊藤さんと中村さんが語られたように、田中さんもノンバーバルな身体表現の効果及び大切さを強調していました。これはやっていくうちに、このプロジェクトはいけるという確信がでてきて、かなり周りから見たら危ない位はまっていたそうです。

このユニクロック、子供版とかも作って欲しいですね。まあ女性としては、カッコいい男性バージョンはどうでしょうか?

adtech day 2 021岸 勇希 (株式会社 電通 コミュニケーション・デザイナー/クリエーティブ・ディレクター)

私は実は最初に岸さんの事を発見した際に、電通のような大会社にこういう方というか職種があったんだなーなんて思いました。やはりその大衆のリスポンスに基づいてか、“私は相変わらず代理店にいます。代理店らしいクリエイティブのあり方。メディアと表現の関係をきちん考えて仕事をしています”と言ってました。岸さんは携帯電話のディスプレイって、実は人格を持っている物で、携帯って大衆にとってはなんだか周りに無いと戸惑っちゃう、常に触っていたいパーソナルな存在なのに、一人で使う寂しい物になりがち。だから、他の人と携帯を通してインタラクティブするペアムービーを生み出したとの事。

このペアムービーは人気カリスマモデル・田中美保と小野健斗を主役に迎えて「素直になれたら JUJU feat. Spontania」という曲をドラマ化した映像を、2台の携帯を並べて同時再生することによって楽しむというコンセプト。会場ではデモが行われましたが、これはかなり面白い。本当にそうですよね、普段は携帯って人間同士の関係を短期の間、プツッと切ってしまう物だと思います。友達と話をしていても、電車に乗った途端に携帯を出して一人の世界に入ってしまう人もいるし、食事中でも携帯メールとかされると、私と一緒にいるのがつまらないかななんて思ったりします。このペアムービーのコンセプトは、他の人と携帯を通じて実際に交流する事が出来るという面では素晴らしい事だと思います。

中村さんが、このセッションの最後の方で“何か目標をもって作るというよりも、なんか出来ちゃったものが世の中に対しており合いをつけていくものが増えていくし大切だと思う”って言っていたのが私はとても印象的でした。

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