ad:tech ニューヨーク、今週開催
今週の11月4-6日にad:tech ニューヨークが開催されます。私は過去数年、必ず参加していたのですが、今年は旅行はドクターストップがかかっているので、行けないのがとても残念です。去年まで開催地はヒルトン・ホテルでしたが、今年からジャビッツ・センターに変わりました。ヒルトンはかなり大きいのですが、とても混む上に3階に展示場が分かれているので、ジャビッツ・センターに移ったのだと思います。#adtechNYのTwitterのハッシュタグを見てみると、既にかなりの人が自分の会社のブースを宣伝したりしています。日本の方々も今飛行機でニューヨークに向かっている様です。
参加できないのがとっても残念だけど、日米の参加者のレポートを楽しみにしています!
伝統的メディアブランドをデジタルの世界へ
“デジタル・ブロードキャスティング戦略ー伝統的メディアブランドをデジタルの世界へ”のadtech:tokyoのセッションは、CNN インターナショナル社 副社長のニック・レン氏によって行われました。
CNNというと、ケーブルテレビ向けのニュース専門放送局テレビで、24時間ニュースを流しているネットワークです。私はアメリカではチャンネル数が多いので、CNNはテレビではめったに見ませんが、ネットでは必ず毎日数回ニュースをチェックしています。
ニックさんによると、CNNは1980年に創立され、現在では24のブランドネットワーク、46の支局、そして200以上の国において1000以上の提携放送局を持っており、ニュース及び映像を 共有しているとの事です。
CNNは現在ではiReport.comにて市民ジャーナリストがレポーターになれる仕組みを利用したり、Facebook等のソーシャルメディアとパートナーとして、注目されているイベントのライブ放送をネット上で行ったりと、様々な工夫をしてリーチを増やしています。
ちょっと前の米大統領就任式のライブストリーミングは私も職場で(?)CNNで見ることができ、CNNのサイトはFacebookを通してStarbuksをスポンサーに向かえ、動画で無料コーヒー配布キャンペーンを実施。そのストリーミング数は2,690万にも及び、それまでの最高記録を5倍上回るものだったようです。そういえば、この就任式は平日に行われていたので、私の周りの同僚は皆CNNのサイトを通して見ていました。
このCNNの動画視聴に関しては、実は当初は有料だったようですが、すぐに無料+スポンサーに切り替えたとニックさんは言っていましたが、私はこの無料モデルには大賛成です。最近は一般市民の方がテクノロジーの発展と共に、市民ジャーナリストとして様々な情報を流しています。やはりサイトの視聴率を増やしていくには、無料でアクセスできるようにしないと、他のサイトで無料で同じ情報を流しているライバルに視聴者を捕られてしまいます。
アメリカではどんどん長年存在していたトラディショナルメディアの新聞がデジタル化と共に無くなっていっています。たくさんこれまで存在していた正式な記者の数も市民ジャーナリストの増加と共に減ってきています。それって寂しい事だけど、時代の流れで仕方のない事なので、メディアも新しいオーディエンスの獲得に向けて新たな手法を生み出していくことが大切だと思います。
iReport.com
英語力、気になりますか?
ad:tech東京参加中及びイベントが終わった現在でも、英語力に関するコメントがかなり多くのブログサイトやTwitterのコメントにて見られます。では私の個人的な意見をシェアしてみます。
土屋さんの日本人の方は日本語でお願いします発言について
私はキーノートの際に英語でスピーカーに質問してしまいましたが、この土屋さんのお願いに対しては実は賛成です。イベントを運営している方から見たら、やはり今年のみの成功に力を注ぐのではなくて、これからも毎年行われ、しかも規模が大きくなっていくイベントを目指す事が大切だと思います。その為には、参加者全員に楽しんでもらうイベントにするという事は必須です。日本には英語アレルギーの方が結構いて、どんなにイベントの内容が良くても、同時通訳を聞くのが面倒だったり、たくさんの人々が英語を使うことによって、居心地が悪く感じる方もいると思います。そういった方々に外国っぽいイベントだからad:tech東京には参加したくないなんて思われたら大変です。イベントの内容がしっかりしていれば、日本語が主でも英語が主でも関係ないと思います。東京でのイベントは日本人という誇りを持って、日本語が主な言語として扱われるというのはOKでしょう。
では英語力をつける必要はあるのでしょうか?
私はこれは人によって違うと思います。私は英文科とかに行ったわけではないし、英会話学校とかも行ったことがありません。でも、幼い頃から洋画とか海外の音楽が好きでしたし、生まれ育った鹿児島の天文館では、外国の旅行者を見かけたら、ハローと言いながら何故か追っかけてました。現在はアメリカの会社で働いているので、英会話は日常生活も含めて出来ないといけないし、日本の女性としては、こちらの文化では自分の意見をはっきり言う事が出来るので、かなり仕事がしやすいので私にはあっています。会社の中には、日本でもどこの国でも、自分の現在の位置に満足している人と、ハングリー心に満ちている人がいると思います。それって、どちらが良いと言う訳ではないし、本人が満足ならどっちでも良い物だと思います。
ad:tech東京に参加した人のなかでも、これから海外の広告事情をどんどん学んでグローバルなビジョンを持ちたいという人もいると思います。そういった方たちには、やはり、英語力をつけると言う事は大切です。日本では紹介されていないテクノロジーや情報が海外にはたくさんあります。自分の知識を増やすことにより、自分という存在を強い武器というか、価値のあるものにする事が出来ます。でも英語で海外の人達と会話をしている際に注意しないといけないのが、相手の言っている事が分からなかったらその場できちんと聞くこと。質問することを恐れていたら、大切な情報を心から理解出来ずに、中途半端な理解につながります。
逆に日本のみで頑張っていこうという方は、今回のad:tech東京の様に、大きなグローバルなイベントには通訳サービスが付いてくるので、無理して英語力をつけなくても良いと思います。英語が話せないからグローバルじゃないっていう考え方は、間違っています。
本物の国際人になるには…
世界の共通語の様になっている英語力を付ける事のみにこだわるのではなく、本物の国際人になるには自分に自信を持つことが必要です。自信を持つにはそれをバックアップする知識や能力が必要です。そして、言語よりも日本特有の文化や習慣を認識し、どこの国の人達と交流しても恥ずかしくないように気をつけることが大切です。例えば日本では麺をズルズル食べるのは普通ですが、それを海外ですると本当に他の人が食欲を無くすくらいきもち悪いものなのです。大げさかもしれませんが、ちょっとしたその行動がクライアントとのビジネス関係に傷をつけるかもしれません。今回のad:tech東京中や後に皆さんの英語の使用に対するコメントはすごくよくわかりますが、あまり気にせずにもっと大きい目でイベントを振り返ってみる事も大切ではないでしょうか?
皆さんの意見をお待ちしています!
Tokyo Innovation:ad:tech東京セッション
Tokyo Innovationのキーノートセッションは、カンヌ国際広告祭(Cannes International Advertising Festival )にて受賞されたことのある世界でトップを走る4人のクリエーターが、世界的広告クリエーターで小学館の「ピッカピカの一年生」等の代表作品がある杉山 恒太郎氏がモデレーターのもとに受賞作品などと通してメッセージを伝えました。
ではそれぞれのクリエーターの方が順番に代表作の例を基にプレゼンテーションを行ったので、その順番にセッション内容を紹介します。
中村 勇吾(tha ltd. 代表)
中村さんは1970年生まれでカンヌ国際広告フェスティバルグランプリ受賞者です。今回のad:tech東京では、今年9月18日まで公募しているモリサワ「字組広告公募展~文字の成り立ち」キャンペーンのデモを行われました。公募サイトによると、この公募展は、誰もがカンタンにweb本を作れる新しいコンセプトのサービス 「BCCKS」と、中村勇吾氏が手がけ、モリサワが提供している webで文字のデザインができる「MORISAWA FONTPARK 2.0」というツールを使った、 これまでにないしくみの公募展です。私は実はこれは見たことが無かったのですが、日本語で遊ぶ、そして日本語というものをアートとして見てみるという、とてもオリジナルなコンセプトで、早速サイトで遊んでみました。
中村さんは”広告はよりソーシャルになっていかなければいけない。広告はより世の中の役に立つものにならなければいけない”という考え方をもっており、まさにこのモリサワプロジェクトは広告だっていう事を忘れてしまう、ソーシャルなものだと思いました。
ちなみにFontParkはこちらで遊ぶ事ができます。あと11日ほど公募があるので、ちょっとクリエイティブな自分を探してみて応募してみるのはどうですか?これってかなり面白いブランディングの方法で、文字が動くときの音が気持ちよかったりします。
伊藤 直樹 (GT クリエイティブディレクター)
伊藤さんはWikiによると早稲田大学法学部出身。もともとは弁護士になりたかったのかな?伊藤さんを近くで見て思ったのが、ファッションセンスが良いなーという事でした。たぶんad:tech東京では紺とグレーのスーツが目立っていたので、余計目立ったと思うのですが、”アドテックで気になった変わった事“のポストも伊藤さんの靴を見て実はインスパイアされました。
セッションでは伊藤さんが担当した作品の一つのマイクロソフト・Xbox360”Blue Dragon”イベント、Big Shadow とLove Distanceについて語られました。Big Shadowは2006年12月に渋谷で見られたインタラクティブな広告です。伊藤さんはもともとゲームとか嫌いなほうなので、ゲーマー以外の人達をどういう風にして魅了するかというキャンペーンを作りたかったとの事。Big Shadowでは自分影がある動作をきっかけにモンスターにモーフィングするという「体験のカタルシス」を提供するのが狙いで、渋谷の町にテンポラリーな遊園地を作りたいなと思ったそうです。伊藤さんにとってインタラクティブとは、ノンバーバルなコミュニケーションという事で、この作品はそれをまさに象徴する形になっていると思います。
Love Distanceは見たときはショートフィルムを見ているような感じで、最後の方まで何の広告か分かりませんでした。というか、広告を見ているというのが実は分からないくらい引き寄せられました。伊藤さんによるとLove Distanceは、通常、テレビの広告をやろうとすると15秒、30秒になるがこれは1ヶ月のテレビCMだと思って作ったとの事。実際に200万円で遠距離恋愛している本当のカップルをキャスティングしたそうです。この広告を見た事の無い方、見ていて何の広告か途中で分かりましたか?会場では最後のほうで苦笑が上がるほど、たぶん皆さん分からずに見ていて、だまされたという感じだったと思います。
田中 耕一郎 (Projector, Inc. 代表)
田中さんは時報のリズムに合わせ、ユニクロの服を着た女の子たちが無表情で踊り続けるウェブ広告「UNIQLOCK(ユニクロック)」の生みの親で、カンヌ国際広告祭など世界の3大広告祭すべてのインターネット部門でグランプリを勝ち取られた方です。やはり私はアメリカに住んでいると、日本の広告業界の情報にどうしても遅れてしまうのですが、このユニクロックはとても可愛いので、早速私のこのサイトのサイドバーにも加えました。
ユニクロックは、女の子がダンスを踊る5秒間の実写映像と、現在の時間を示す5秒間のアニメーションを交互に繰り返し流すというシンプルなコンセプトなのに、何だかいつまでも見てしまうものです。音楽も秒刻みのリズムになっていて、思わず踊りを真似したくなったりします。伊藤さんと中村さんが語られたように、田中さんもノンバーバルな身体表現の効果及び大切さを強調していました。これはやっていくうちに、このプロジェクトはいけるという確信がでてきて、かなり周りから見たら危ない位はまっていたそうです。
このユニクロック、子供版とかも作って欲しいですね。まあ女性としては、カッコいい男性バージョンはどうでしょうか?
岸 勇希 (株式会社 電通 コミュニケーション・デザイナー/クリエーティブ・ディレクター)
私は実は最初に岸さんの事を発見した際に、電通のような大会社にこういう方というか職種があったんだなーなんて思いました。やはりその大衆のリスポンスに基づいてか、“私は相変わらず代理店にいます。代理店らしいクリエイティブのあり方。メディアと表現の関係をきちん考えて仕事をしています”と言ってました。岸さんは携帯電話のディスプレイって、実は人格を持っている物で、携帯って大衆にとってはなんだか周りに無いと戸惑っちゃう、常に触っていたいパーソナルな存在なのに、一人で使う寂しい物になりがち。だから、他の人と携帯を通してインタラクティブするペアムービーを生み出したとの事。
このペアムービーは人気カリスマモデル・田中美保と小野健斗を主役に迎えて「素直になれたら JUJU feat. Spontania」という曲をドラマ化した映像を、2台の携帯を並べて同時再生することによって楽しむというコンセプト。会場ではデモが行われましたが、これはかなり面白い。本当にそうですよね、普段は携帯って人間同士の関係を短期の間、プツッと切ってしまう物だと思います。友達と話をしていても、電車に乗った途端に携帯を出して一人の世界に入ってしまう人もいるし、食事中でも携帯メールとかされると、私と一緒にいるのがつまらないかななんて思ったりします。このペアムービーのコンセプトは、他の人と携帯を通じて実際に交流する事が出来るという面では素晴らしい事だと思います。
中村さんが、このセッションの最後の方で“何か目標をもって作るというよりも、なんか出来ちゃったものが世の中に対しており合いをつけていくものが増えていくし大切だと思う”って言っていたのが私はとても印象的でした。
革新的ブランドビルディング
革新的ブランドビルディングのセッションでは日本人で世界で活躍されているAKQA クリエイティブ・ディレクターのイナモト・レイさんとGoogle Marketing Director, Asia Pacificのスコット・レビトランさんがパネルスピーカーでシンディ・ギャロップさんがモデレータを務めてかなりのヒートアップした会話が行われました。
ちなみにこのセッションは日本語のタイトルでは優しい感じになっていますが、英語のタイトルには“Innovate or Die (革新しないんだったら死んじゃえ)”みたいなかなり強烈なタイトルになっていました。
ではこのセッションで私が一番心に残ったのはイナモトさんの“僕は実は広告がきらいなんですね”っていう一言。嫌いなものを好きにさせるのが広告っていうのは簡単ではないけど、だから余計に広告を作る側からしたら面白いのだと思います。人間って自分でリスクを気にせずにどんどんチャレンジしていく人と、このままでいいよタイプの人に分かれていると思います。どちらが良いって言う訳でもないし、人それぞれでハッピーならOKだと私は思うのですが、イナモトさんは完璧に前者で私もハングリー派なので、セッションを聞いていて似ている考え方がとてもあるなーと思いました。
広告関係の方からしたら、広告が嫌いなんてって思うかもしれませんが、実際にネット上で映像を見ていて広告にPCが乗っ取られた際にイラついた人は絶対にいると思います。私も実際、テレビを観る際はDVRを使って生で映像を観るという機会はほとんどないし、ネット上でHuluとか使って映画とか見る際も、広告のお陰で無料で観賞できるから仕方ないのですが、特にPopup広告とかにはきちんとPopupブロックしています。私は広告自体をアートとして観る事は凄く好きで、特に雑誌とかの広告は切り抜いて以前からファイルしています。イナモトさんのメッセージも多分同じだと思うのですが、単に広告がきらいっていうので終わりじゃないと思います。広告にはユニクロックとかもそうだし、広告って分からずに引き寄せられる隠れ広告がかなりあります。私はそういった広告と知らずにクリックして行動してしまった際には、アーやられたーっていう喜びが逆に沸くという事もあります。 一般の消費者って、広告を避けて、コンテンツを見に訪れています。それを、どの様に魅了するかっていうのが、広告に関する人間としては大切な事だと思います。
何だか一番前に座っていたら、イナモトさんのスコット・レビトランさんがクリエイティブな事例としてあげたYouTubeオーケストラは、実は簡単な物なんだよっていう発言とかにちょっとムッてしていたのが、面白かったです。多分日本のイベントだし、イナモトさんも日本の方だから、まさか挑発発言がでるとは思っていなかったのでしょう。イナモトさんの、今日から出来るイノベーションとは何か?日本人っていうのは真似をするのが上手だけど、まずはイノベーションって何なのか定義することが大切っていうメッセージは大切だと思いました。
このセッションはあっという間に終わってしまって、まだまだ聞いていたかったなーという感じがしました。このセッションに参加された方、どう思いましたか?









